ちょっとしたデザイン論

住環境、住宅を購入する時の思いというのは、まぎれもなく家族の幸せを考えて、人生をエンジョイできる事を誰もが願うだろう。
しかしながら、建築費をかければ誰もが人生をエンジョイできるとは限らない。
そこで、住環境デザインとは何だろう。と考えてみる。

家族が幸せになるためには家族の健康、家族の安全を第一に、そして家族間のコミュニケーションを重視する。
それ以外ないかと考えると実はある。近隣を含めた社会との関係にトラブルがないこと。
日本人は控えめな姿勢が昔から美徳とされている。今もなおその傾向は高い。
茶道・華道・書道・武道それぞれ控えめでありながら豪快に表現する。

私は住道(じゅうどう)のような住まう作法が存在すると考える。
例えば、周りとの調和を考え、控えめ(ちょっと)でありながら、家族らしさ(個性)を豪快に表現する。
そこには、ちょっと和を感じ、ちょっと個性があり、ちょっと品があり、ちょっとオシャレでちょっと自慢なスタイリング。
そして、ちょっとエコロジカル、エコノミカル、コミュニケーションを感じること。
永続的に飽きの来ない流行に乗らない『ちょっといい家』がよい。と考える。
住宅とは一見、個人所有するものなので公共性がないように見えるが、
そうではなく、景観(風景)を構成する1つの細胞と考える。
いわゆる個人所有であり、まちの財産でもある。
調和した住宅が立ち並ぶとすばらしい環境が出来てゆく。後に、環境価値があがり、地価もあがる。
その結果、すばらしいコミュニティが生まれ、人生をエンジョイできる住環境へ成長してゆくのではないか。

強調された表現は、瞬時に消費される。
自然発生的なさり気ない表現はいつの日か文化となる。

ちょっとした建築家
及川 洋樹

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